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【 ICANOF アーカイヴ 】
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イカの腑、あるいは触媒としての写真  〜ICANOF展に参加して

飯沢耕太郎 (写真評論家)



飯沢氏による作品講評
飯沢耕太郎氏(右)による「食間展」作品講評風景
(八戸市美術館2F/2003.2.23)
 先々週は既に桜の季節になっている沖縄・那覇から、大雪の八戸に大移動するというとんでもないスケジュールだった。気温差二十度という空間を動いていると、からだも精神もどこか現実感を失って、ふわふわ宙を漂っているような気分になってくる。雪融けのぐしゃぐしゃ道を登山用の革靴で歩き回りながら、ふと自分がどこにいるのかわからなくなってしまうこともあった。
 八戸に来たのは、当地のメディア・アート・グループICANOF(イカノフ)が主催する「食間の光景/食間の廃景」展(八戸市美術館ほか、二月十五日〜二十三日)に参加するためである。二月二十二日に「写真の方舟」と題する講演を同美術館でおこなうため、昨年開通したばかりの新幹線で前日に東京から八戸入りしたのだ。
 ICANOFの活動については、一昨年の最初の展示の時から注目していた。分厚い図録を見ても、メンバーのなみなみならぬ意欲が伝わってくる。なぜ、突然八戸にこんな超前衛的なグループが出現したのか、それが不思議でもあった。
 八戸に来て、キュレータ−の豊島重之さんらと膝を突き合わせて語り、飲んだのだが、いまだになんだかよくわからないことも多い。彼らを突き動かしている衝動がいったいどこから湧いて来るのか、その正体がうまく見きわめられないのだ。
 もしかしたら、ICANOFというやや呪文めいた響きを持つ名前に秘密があるのかもしれない。この名称にはInteractive(相互作用的な)云々という意味づけがあるそうだ。でも、もともとは「イカのはらわた=イカの腑」というのが由来らしい。八戸はイカの大産地、それに引っかけたしゃれっ気たっぷりのネーミングだったのだ。
 それで文字通り腑に落ちた。あのおいしいけれど一筋縄ではいかない、苦み走った味わいのあるイカの内臓こそが、この不思議なグループの正体だったのである。
 とすれば、彼らが写真という表現メディアにこだわる理由もなんとなくわかってくる。写真もまた、ありとあらゆる現実世界の断片に触手を伸ばし、それらを貪欲に取り込んでしまうカオス=内臓のようなメディアである。その味わいは、まさに渾沌としていてしかも歯ごたえのある、あのイカの腑と似ていないこともない。
 恐らくICANOFのメンバーたちは、写真を一種の触媒と考えているのだろう。この伸び縮みする融通無碍なメディアを間に挟むことで、個性的なメンバーたちが結びつき、独特のハーモニーを奏ではじめるのだ。
 イカの腑はどうも癖になる。最初はとっつきにくいかもしれないが、その魅力にとりつかれる人たちも、これからもっと増えてくるのではないだろうか。


(デーリー東北[2003.3.8]掲載)



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