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ゴレパニ/聖なる石の視力 ──GHOREPANI / SACRED VISION BUILT OF STONE──
菅原智光(ICANOFアートディレクター・写真家)





© SUGAWARA Tomomitsu

20メートルもあるシャクナゲの大木の中腹で横笛を吹く少年。
近くに民家は無く、遊びのテリトリーはキロ単位なのか。
頂上までの段々畑の途中で遊んでいた子供に指人形をプレゼントしたら、手を差し上げて何かを叫んでいた。女性の声で何かが返ってきた。「何て言ったんだ」とシェルパに尋くと、「こんな物もらったよー」「よかったねー」と母親から返ってきたらしい。母親には指人形が見えているのに、その母親の姿は日本人には見えない。
同行した登山家が面白い話をしてくれた。
7000mを目指して登山中、シェルパが突然「止まれ」と叫んだ。「向こうにライチョウが居る、鉄砲の音がするまで動かずに待っててくれ」・・・ツァイスの双眼鏡で探しても何も見えない。
1時間ほどして「バーン」と音がしたのでシェルパの待ってる場所まで行ってみると、ライチョウの毛をむしっているところだった。貴重な動物性タンパク質なので貴重な4リットル入れのポリ容器と交換の交渉がはじまり、交渉成立。めでたく登山家たちの胃袋に収まった。

時は、視力を奪われた民族と視力を温存した民族に分けてしまったようだ。科学とは、破壊の原点なのかもしれないが、ネパールの山奥にも裸電球がともりはじめ、時にはラジオの音もした。

カトマンズの市街、観光と土産物捜しに何度もホテルを出て、出るたびに同じ乞食と出逢う。子供を抱いたインド系の顔をした美人に近い女性。一度子供に指人形をプレゼントし、いくらかのルピーを渡したが、それ以後、毎回、手を出してくる。その女性が1年後見た時は昨年の子供より小さく感じる子供を抱いていたのは、もしかすると子供のリースだったのかも知れない。
とにかくビジネスチャンスを逃がさずキッチリ捕まえる術を知っているし実行もする。


© SUGAWARA Tomomitsu

街でスコールに遇ってしまった。
時間を過ごせる店と思い、お茶屋に入った。ネパールは紅茶の産地でもあるので沢山の専門店がある。
ブラリと入って行くと客らしい若い男性が声をかけてくれた。
「日本人? 私、いま、日本語学校に行ってるんです」と教科書を出して。試飲の紅茶を飲みながら日本語での話はたどたどしくても楽しい。と、スコールが止んだのでその学生と店主が私に店番をしていてくれ、とバイクで学校に行ってしまった。時間はあるけど客が来たらどうしようと思っていると、客らしい女性が二人来てしまった。
「ナマステ(こんにちは)」だけしか通じない。と、女性の一人がカウンターの奥に入ったので、店主の奥さんと分かったが、その先が続かない。それでも試飲の紅茶を飲んでいるので悪い客ではない、と分かったらしく、なにかにと話しかけてくる。それでは、と奥の手を出した。ネパールへのお土産に口紅の現品見本を100本ほど持って来ていたので、好きな色を選ばせ、二人に3本ずつ気前よくプレゼント。お礼にと、香をプレゼントされた頃、店主が帰ってきてくれた。土産に買った紅茶を包んだ新聞紙、これはインテリアに使えそうだからと余分に貰って、楽しい雨避けの時間だった。

一度訪れると虜になる。ネパールはよくこんなことを言われる。
虜になってしまったようだ。
子供たちの様子、シェルパの笑顔、街の騒音、山の静けさ、2〜30年前にタイムスリップさせてくれるネパール。来年、この魅力にひかれてまた訪れたい。写真を手土産にして。また新たな写真を持ち帰るために。

(図録 "ICANOF Media Art Show 2001" より一部抜粋)



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