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■キュレーター
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mail:icanof@hi-net.ne.jp

■ICANOF事務局
青森県八戸市古常泉下14-18
〒031-0022
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Fax 0178-45-9247
mail:icanof@hi-net.ne.jp
【 ICANOF アーカイヴ 】
- ICANOF Archive Materials -



メディアアートの盲点/盲点のメディアアート
豊島重之 (ICANOFキュレーター)


 二千人の市民が足を運んだ「ICANOF食間展」。敢えて私はほとんどの人が見過ごしたであろう一点を取りあげてみたい。八戸市美術館二階のスペース。四冊の写真アルバムが無造作に置かれた二つの円卓。来館者は四脚の椅子に座って思い思いにアルバムをめくる。二本のブームスタンドから彼の鼻先にさりげなくマイクが差し向けられていて、マイクに接続されたミキサーは小さな黄と赤の光を点滅している。それだけである。ものものしさは欠けらもない。むしろポッカリとした光景である。


「soi upstream」
(2002-03年ICANOF「食間展」/八戸市美術館2Fロビー)

 「食間」をめぐるスナップとテクストから成る頁をめくるうちに、どうしても眼前のマイクが気になってくる。写真の感想か何か一言どうぞ、という見えすいた魂胆なのか。なら、その魂胆を覆すような苦言を弄してやろうかとマイクに口を近づけた途端、マイクから微かに話し声が聴こえた気がしてハッとさせられる。そうなのだ。二本のマイクは実はスピーカーに転用されていたのだ。左右ともマイクに耳をじかに接しなくては聴きとれぬほどの低音量で、しかも右と左が別内容の音源だったりする。そして誰もが、音量のレインジを示す黄と赤の点滅に「あらかじめ気づいていた」ことに改めて気づかされる。そこにこそ日常と地続きの「盲点」があり、イカノフの真骨頂もまたそこにある。
 アルバムの着想は青森市の舩水流、マイクの着想は八戸市の花田喜隆。花田による作品タイトル「ソワ・アプストリーム=それ自身の逆流」から、私たちは写真の潜勢力さえ嗅ぎとるだろう。とすれば、音源が途絶えて、しばしの沈黙のあと、マイクに接した耳は聴くにちがいない。「これでもメディアアートなの?」「私にもできそうじゃん?」という今しがた録音されたばかりの自分の声の逆流を。


(東奥日報[2003.03.18])



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