テクスト「に基づく」舞台とは言え、これほど心許ない言い方はない。

「に基づく」以上、舞台上の佇まい、身体性のどこかにテクストから喚起されたものがあるはずだが、それがここだと指摘できるかどうか心許ないどころか、それが指摘されるようなものなら、テクストから喚起されたとは言えそうにないからだ。

仮に百歩譲って、舞台上の佇まいがテクストから喚起されたものだとするなら、その身体性は、一回限りの観客のみならず、その場に居合せなかった限りない消息に向けて、もう一つのテクストを喚起するに違いない。そうでなくては「に基づく」とは言えないだろう。


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