しかし反面、そんな事がこの「パンタナル」で容易に成されるとも思えない。

公演プログラムに収録された二つのコロック=共同討議を引くまでもなく、私達の浅薄な読みは、始まったばかりだ。考えてみれば恐ろしい事だが、しばしば浅薄な読みさえも、時として浅薄な読みこそが、著者や訳者の思考の深淵に届く事がありうる。その苛酷さは、読みそこねた者と読まれそこねた者のどちらが背負うべきなのか、もはや言を待たない。


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